年金2000万問題に見るメディアの愚
最近、テレビだけを賑わせているニュースがある。
老後資金2000万円問題だ。
テレビでは国が国民を騙したがごとく、報道している。
結論から言おう。
これは地上波テレビによるマッチポンプである。
私に言わせれば、これは新しい発表でもなければ状況の変化でもない。
現状を伝えただけである。
まず、年金だけで老後が安心などと思っている人は相当少数だろう。
多くの人は、年金だけでは生活できないと分かっているから、貯蓄をしたり働き続けるという選択肢を取っているだけであり、
こうした報道をうけて驚いた人の方が珍しいだろう。
では何故このような大して意味のないニュースを繰り返し報道するのか?
私はシンプルに考えて、政権叩きの「ネタ切れ」だと思う。
安倍政権を批判する材料は他にもいくらでもあると私は思う。
だが、現在主にテレビから情報を得ているのは元々リテラシーが低い人々である。
リテラシーが多少でもある人は、テレビのニュースを鵜呑みにすることなど無いし、
そもそもテレビ自体を見ない。
つまり、政治に関心が薄くリテラシーが低い人が反応しやすいニュースという条件で拾うと、年金ネタくらいしかないのだ。
企業はサービスや製品を提供し、競争の中でユーザーと対話する。
その中で、企業は成長し、ユーザーもどんどん賢くなり、要望も増えていく。
ユーザーの要望が増え目が肥えていくということは、企業もユーザーもお互いによって成長していくのである。
それが自由主義社会、資本主義社会が繁栄してきた理由である。
翻って、現在の地上波テレビは電波というこれ以上ない既得権益に守られ、ユーザー(視聴者)との対話で互いに成長するということがない。
テレビは資本主義の恩恵が及ばない「大きな陸の孤島」なのだ。