大久保さあの独り言

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丸山議員の「戦争発言」の是非

先日、知り合いの女性に「私、博識の大久保さんに聞きたかったことあるんです」と切り出された。

仕事についての相談かと思って黙って聞いていたら、

「丸山さんの戦争発言ってどう思います?あんなのダメじゃないですか」とのこと。

丸山さんの戦争発言とは言うまでもなく、丸山穂高議員の「戦争でこの島を取り返すことは賛成ですか?反対ですか?」「戦争をしないとどうしようもなくないですか?」との発言だろう。

 

結論から言おう。

私はこの発言の何が問題なのかさっぱり分からない。

酒で酔っての発言だとか背景はこの際置いておこう。

この発言自体は一般論としてはその通りだと思う。

武力による奪還を最初から放棄している我が国が北方領土を取り戻せていないことは事実だし、竹島においてもそうなのだから事実に基づいた発言といえるだろう。

 

もっと言うなら、他国が武力で奪った領土を武力以外で取り戻すのは金しかない。

これは拉致問題とも本質は全く同じであり、拉致をしても領土を奪っても痛い目を合わせられることなく、逆にお金がもらえる状態では相手にインセンティブを与えるだけであり、交渉においても相手次第である。(こちらが払う金の額まで相手次第である)

これはあらゆる交渉の場の常識だが、『決裂した時の損害が大きいほうが必ず折れてくる』の図であり、相手が日本国の場合、決裂した場合のリスクは「日本がスネる」だけであると言って過言ではない。

 

何故、このような簡単なことも分からない人が多いのだろう?

私は日本人が「とにかく戦争はダメなんだ」という認識だけは共有している珍しい国だからだと思う。

彼女においても愛国者であり、憲法改正論者でもある。

それでもいざ「戦争」というマジックワードが耳に入ると思考停止になるのだろう。

 

だが、「憲法9条があったから日本は平和だった」という護憲派と「憲法9条さえ変えれば日本の安全保障問題は解決する」と信じる改憲派は実は全く同じことを言っている。

現実には法的に可能になるという事と実行できる能力を持つ事と実行する事は、全て別だという事を理解していれば、このような非論理的な話にはならない。

まして、この程度の発言で問題になることなどない。

 

丸山議員の発言を叩く前に「なぜこうした議論が国会の場で堂々と出来ないのか」を

考えてみるほうが余程建設的だと思うのは私だけだろうか。